アルツハイマー病の見当識障害にどのような事が大事か

前回も話したが、アルツハイマー病は第一期、第二期、そして第三期に分けられるのである。

第一期では、家族は殆ど症状の変化に気付く事は無い。例えおかしいと気付いた所で、患者は物忘れなどを、言葉を述べて誤摩化してしまうため、家族はその言葉を信じてしまいがちである。

例えば、鍵を何処に忘れたか?と言う場合、

「お父さん! 鍵何処においたの?」と貴方が聞くと、患者はじっと考えるふりをするが思い出せない。

「お父さん! 昨日入った時、確か自分のポケットにしまったのでは!」

「そうだ! そうだ!」と言い、「俺も物忘れが酷くなったな!」と誤摩化すのである。

もし、患者が老人性物忘れであれば、じっと考えれば、思い出す事が出来るが、アルツハイマー病では絶対に思い出す事はできないのである。

このような場合、もう一度「同じ質問をしてみよう!」

例えば、「鍵はどこにありましたか?」

老人性物忘れであれば、「ポケットの中にありました」と答える事が出来るが、アルツハイマー病では、「沈黙」か「言い訳」すなわち、

「昨日、疲れていたから!」「今日の事が心配であった!」など全然関係の無い事を話して、その事を誤摩化そうとするのである。この第一期の期間は大体5年間。

そして、第二期に入ると、

見当識障害すなわち今、何をしているのか、何処にいるのか、何をしていいのかの症状が出てくるのである。

例えば、 会社に行っても、何をして良いのかが分からない! 部下に尋ねられても、要領を得ない答えをしてしまう。そして会社の場所が分からない。運転していても、家がどこか分からない! ゴルフをしていても、どのように打ったら良いのかが分からない!

こうなると家族や同僚はおかしいと分かるのである。殆どのケースはこのケースである。特に、40歳代に出現する若年性アルツハイマー病では、進行が早いため、大変である。まさしく家庭崩壊となるのである。

第三期では、植物人間、すなわち自分の顔が分からない!妻の顔が、そして主人の顔が分からない。物をどのように食べて良いかが分からない。そして、肺炎などで死亡してしまうのである。

合計で大体発症から15年が普通である。

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